ニュースリリース

香港の競争力を強化する予算案

2014年2月26日

曾俊華(ジョン・ツァン)財政長官は本日(2月26日)、香港の国際ハブ、中国本土の市場への主要なゲートウェイとしての競争力を強化するための一連の政策を明らかにした。

「競争力は今回の予算のテーマである」と長官は述べた。

「提案した政策はわれわれの競争力を強化し、香港経済の成長の維持を助け、ビジネス環境を改善し、雇用機会を増やし、公共財政の健全さを保つものと確信する」

長官は金融業界を発展させる手段を提案した。2010年に政府が印紙税免除措置をETFに拡張して以降、香港はアジア太平洋地域におけるETFの最大拠点の一つになったと述べた。ETFは香港の上場株式の40%を超えない株価指数を組み込んだ金融商品である。

「すべてのETFの取引に関わる印紙税を免除することを提案する。これにより香港の株式をより多く組み込んだETFの取引コストも低下する」と長官は述べた。

「これは香港のETFの開発、管理、取引センターとしての地位の促進を支援する」

長官はまた期間3年の物価連動型債権を最高100億ドル発行することも提案した。

長官は合わせて金融、市場拡大、ブランド構築、生産性向上に関して中小企業を支援する7つの政策を発表した。

香港の観光地としての魅力を向上させるため、政府は啓徳開発地区に国際クラスの観光、芸能、レジャーのハブとして「カイタク・ファンタジー」を建設する計画を持っていると述べた。

「“ホテル帯”内部のビクトリアハーバーに面した啓徳クルーズターミナルに隣接する6ヵ所を来年末から徐々に市場に解放する適切な方法を特定しつつある」

加えて、セントラルのマリービル、オーシャンパーク、香港ディズニーランドでの新たなホテル事業により、1500室が提供される。

香港観光局に9500万ドルを提供する。そのうち4500万ドルは会議展覧促進のため、残余の5000万ドルは人気のある既存のイベントに新たな催しを追加するために費やされる。

「その具体策の一つは、ビクトリア湾のナイトショーに3Dプロジェクションマッピング技術を導入するなどが考えられる」と長官は述べた。

技術革新の促進について、長官は、政府は研究開発の成果の応用と商業化を促進するための2つの新たな手段を採用すると述べた。

・既存の小規模企業研究支援計画に代わる企業支援計画(ESP)を創設し、民間企業の研究開発事業への支援最高額をこれまでの600万ドルから1000万ドルへ引き上げる。支援を受ける企業は少なくとも半額を負担しなければならないが、当該事業の知的財産権のすべてを所有することができる。

・技術革新基金(ITF)の支援範囲を開発事業、システム統合、工業デザイン、適合性試験、臨床試験等へと拡張する。

「技術革新基金(ITF)は毎年2400万ドルを6つの指定大学に研究開発の創業資金として提供し、学生、教員が下流の研究開発事業とその成果の商業化を進めることを支援する」

長官は電気自動車の初回登録税免除措置の2017年3月末での3年間の延長を提案した。電気自動車の普及促進は環境改善を目指す香港の努力の一つである。

「香港の競争力を当然のものと考えてはならず、持続可能なものと見なしてもならない」

「それは改善を目指し不断に努力し、起こりうるあらゆる危機に適切に対応するわれわれ次第なのである」と長官は述べた。

以上